まずは萱の準備。
写真で見ると多く感じませんが、約500束の萱を用意しました。
足場用の竹も用意。今回は3月に入っての切り出しとなりましたが、茅師さんの言うには、遅くとも2月までに切っておかないと質のいい竹にならないとのことでした。
足場を竹で組む。昔なら縄で箱結びにするところでしょうが、足場用の番線で結んでいます。
パイプの足場とは違ってなかなか美しかったりします。
萱の加工。これは軒に使う クジガヤ(と職人さんがいってました)。萱を前後会わせて太さを均等にし、半分に切って使います。
萱は全部半分に切ります。これは根元のほう。押し切りという道具で切るのですが、
約500束の茅を切るのは結構大変です。茅師さんの指導で私が担当しました。
いよいよ解体開始。表面の傷んだ部分を外し、下の部分は残します。表面の痛み具合から想像していたよりしっかり使える部分が残っていました。茅師さんの説明によると、茅を押さえるオシボク(細い竹)を締める縄の間隔を広くとりすぎているため、押さえが甘くなり雨のしみこみで縄が痛んで切れ、茅のずり落ちを招いたとのことでした。この部分だけ腕の悪い職人さんが担当したんだろうといってました。アハハ。
特に痛みがひどかった所。ごらんのように軒の所まで茅が痛んでいて外さなければなりませんでした。ここから雨漏りがしていたのです。
軒の葺き始めです。ます藁をのせてその上に前出のクジガヤをのせます。そして古い茅を延べ茅にして勾配を調整し、新しい茅を乗せてオシボクで押さえます。
後は足場をつけながら葺きあげてゆきます。古い萱を引き抜いて新しい萱とともに使っていきます。サシガヤというそうです。
勾配がきつくなると、乗せた茅が押さえる前にずり落ちるので、縄で押さえながら並べていました。
地元のラジオ局が取材にきました。
約半分ほど葺きあがり。
萱を載せ終わりました。後は刈り込みです。
上半分が刈り終わりました。
今回の葺き替え以外のところは、傷んだところだけ補修してもらいました。
刈り込みも終わり、足場も外して完成です。
葺き替え前の状態と比べると感無量です。